皆さんこんにちは、Cyberspaceと申します。

自分は2021年頃から、ハードスタイルという音楽を制作しYouTubeで発表する活動をずっと続けています。おかげさまで、チャンネル登録者数は86人(2023年7月11日現在)に到達、YouTubeへの通算動画投稿数は100本を超え、ありがたいことに「Cyberspaceの作る音楽が好き」と言っていただける機会もちょくちょく生まれるようになりました。
https://www.youtube.com/channel/UCJc0jn9lHTvGZt0XSysblag
しかしながら、そもそも論として「ハードスタイルという音楽がどういうものなのかよく分からない」という方も、まだまだ日本には多いのではないでしょうか。なんかEDMと呼ばれる音楽の一種ではあるらしい、くらいのことは把握していても、それ以上の詳しいことは分からない、という方がおそらく多数派なのではと思います。
そこで今回は、(あくまで自分なりの理解に基づいてではありますが)ハードスタイルという音楽が一体どういうものなのか、音楽の成り立ちやサブジャンルの違い、著名なアーティストなどの側面から解説していきたいと思います。記事の趣旨からして長文となることが確実ではありますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。よろしくお願いします。
1.Early Hardstyle
ハードスタイルというジャンルは、1990年代後半から2000年頃のオランダで生まれました。元々、当時のアンダーグラウンドシーンで流行していた「ガバ(Gabba)」というジャンルが、時代の変遷の中で衰退していく過程で、何人かのオランダ人DJがガバにハードトランスやテクノなどの音楽の要素をブレンドし、BPM(曲のスピード)を落とすことで聴きやすくしたのが始まりです。
「Early Hardstyle (アーリー・ハードスタイル)」とも呼ばれる黎明期のハードスタイルは、BPMが135から145程度で、トランスに影響を受けた「リバースベース」と呼ばれる特徴的なベースラインやミニマルなメロディ、そして全体的に粗い感じのサウンドが特徴でした。また、このサウンドに合わせたダンスとして、オーストラリアのハードトランスシーンから発展した「メルボルンシャッフル」が大流行することになります。
2.nu-style
このジャンルに最初に大きな変化が訪れたのは2005年。Donkey rollers(ドンキー・ローラーズ)と呼ばれるユニットがきっかけでした。このDonkey rollersは、黎明期のハードスタイルと比べてメロディをより高度化・複雑化させた他、キックと一体化したベースラインをコード進行に合わせて変化させ、楽曲をより複雑なものへと進化させるきっかけを作りました。彼らが生み出したジャンルは「nu-style(ニュースタイル)」と呼ばれ、そこで生まれた作曲技法はそこから20年近く経った現代の楽曲にも取り入れられています。
3.Rawstyle
このnu-styleは、当初は古参ファンからの反発を受けつつも、やがてはハードスタイル全体の主流となっていきます。しかし、時代がさらに進んでいく中で極端にメロディアスかつポップな楽曲が増えていくことになり、2011年頃にはその潮流に反発して対極を進もうとする勢力が現れました。攻撃的なキックにダークなメロディ、喋るように歌われる極悪なボーカル、そして「スクリーチ」と呼ばれる甲高い金属音のようなノイズエフェクト。今のシーンにおける主要なサブジャンルの1つ(そして自分が最も得意とするジャンルでもあります)、「Rawstyle(ロースタイル)」の誕生です。
4.Euphoric Hardstyle
一方、nu-styleの流れをくむメロディアスでポップな作品群は、彼らは彼らで独自の進化を遂げることになります。アップリフティングでエモーショナルなメロディと、nu-styleから引き継いだ「ベースラインが激しく上下するキック」。これらの特徴を併せ持った楽曲群は、やがて「Euphoric Hardstyle (ユーフォリック・ハードスタイル)」との名で呼ばれ、Rawstyleとの二大巨頭を形成するに至りました。この頃には、ハードスタイルの楽曲は黎明期に比べてより高速になっており、現在はおおむねBPM150から160くらいが基本となっています。
しかし、やがてEuphoric Hardstyleは苦難の道を歩むことになります。かつてはアンダーグラウンドなジャンルであったハードスタイルは、この頃になると完全に商業化された音楽になっており、その中でもキャッチーなタイプであるEuphoricには、いわゆる「売れ線狙い」な楽曲が増えていくようになります。
これは、旧来からのハードスタイルのリスナーにとっては、あまり受け入れられる流れではありませんでした。Euphoric界を代表する巨匠であるHeadhunterz(ヘッドハンターズ)が、2014年頃からBig room houseに転向した(その後ハードスタイルに復帰)のも、そこに追い打ちをかけることになります。
5.Rawphoric
そうした中で、Euphoricの大きな武器である「アップリフティングでエモーショナルなメロディ」に着目し、これをRawstyleに取り入れようとする動きが発生します。Euphoric+Raw、その名も「Rawphoric(ローフォリック)」の誕生です。Euphoricはメロディに関しては出色な一方で、キック部分が攻撃性にやや欠けるところがあり、これが「ハードスタイル」と呼ぶにはややそぐわない状況が生まれていました。これを、Rawstyleの攻撃的なキックと合わせることで、その弱点を補おうとしたわけです。
メロディも良し、キックも良しと2つのサブジャンルをいいとこどりしたスタイルであるこのRawphoricは、今ではかつてEuphoric Hardstyleをメインにしていたプロデューサーが手を出すようになるほど、ハードスタイルという音楽においては重要なサブジャンルとなりました。自分自身にとっても、Rawphoricは最も得意とするジャンルであり、また最も作ることが多いジャンルでもあります。
6.Xtra Raw
一方、Rawstyleの中には「さらにハードな方向」を志向するグループも現れます。Drop(ドロップ、J-POPで呼ばれるところの「サビ」)でほとんどメロディを使わず、通常のRawstyleよりもさらにパンチが強く破壊力が増した多種多様なキックを用いる、ハードスタイルの中でも最も「オラついた」スタイル。「Xtra Raw(エクストラ・ロー)」と呼ばれるこのジャンルは、主にイタリア出身のDJたちが中核としてけん引し続けています。
現在のハードスタイルは、他にもいくつかサブジャンルは存在しますが、概ね以下の4つに分けられます。この中から、ご自分が好きなタイプの曲を見つけられるといいと思います。
Euphoric Hardstyle Rawphoric Rawstyle Xtra Raw
美しい ← ← 傾向 → → いかつい
終わりに
いかがでしょうか。ハードスタイルという音楽の大まかな歴史や、その中で生まれてきたジャンルの違いなどについて、少しでも理解が深まったならよかったです。今後、また機会を見てそれぞれのジャンルへの深堀や、ジャンルごとの著名アーティストなどについて書いてみたいと思っているので、よろしくお願いします。




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